かってな語学日記

日本語、外国語、言語学、文字、その他いろいろな語学のこと

「スラヴ語動詞の構造」について

「スラヴ語動詞の構造」とは

 「スラヴ語動詞の構造」とは、ロシア語の動詞の構造について解説した本、原求作『ロシア語動詞の構造』水声社, 2001)を参考に、スラヴ語の動詞の構造を比較してみよう!という構想。『ロシア語動詞の構造』にならって、「スラヴ語動詞の構造」というタイトルをつけてみた。

 スラヴ語というのは、言語の系統分類でインド・ヨーロッパ語族スラヴ語派に属す言語の総称である。実際に比較の対象とするのは、ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、ポーランド語、チェコ語、スロヴァキア語、スロヴェニア語、セルビア語、クロアチア語、古代教会スラヴ語、ブルガリア語、マケドニア語の12言語ブルガリア語とマケドニア語は対象言語に含めない予定だったけど、面白そうだったのでやっぱり含めることに。ただし、この2言語は「不定形がない」「動詞の時制が複雑」などほかのスラヴ語とは異なる特徴を持っているので、ちょっと例外的に扱うことになる。それ以外のスラヴ語(ソルブ語、ルシン語、カシュブ語など)は従来どおり対象にしない方向で。

 対象言語のうち、ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、ブルガリア語、マケドニア語はキリル文字を使用している。キリル文字を使用している言語は、キリル文字のあと{}の中にラテン文字で翻字を示す(例えばписать {pisat'} のように)。セルビアキリル文字を使ってるけど、セルビア語はクロアチア語とおおよそ語彙・語形が共通しているので、まとめてラテン文字で書く。古代教会スラヴ語は最初からラテン文字に翻字して書く。表記方法は木村彰一『古代教会スラブ語入門(新装版)』(白水社, 2003)に拠った。

「スラヴ語動詞の構造」全体図

 今のところ仮で作ってみた目次、全体図のようなもの。

  • 目次と概要(このページ)
  • 第1課 動詞を構成する要素
  • 第2課 不定形の分類
    • A1 語根がs, zで終わるもの
    • A2 語根がt, dで終わるもの
    • A3 語根がp, bで終わるもの
    • A4 語根がstで終わるもの
    • A5 語根がk, gで終わるもの
    • A6 語根がr, lで終わるもの
    • A7 語根がm, nで終わるもの
    • A8 語根がvで終わるもの
    • A9 語根がoiで終わるもの
    • A10 語根がiで終わるもの
    • A11 語根がyで終わるもの
    • A12 語根がouで終わるもの
    • A13 語根がa, ěで終わるもの
    • B1 語根と語尾の間にiを挟むもの
    • B2 語根と語尾の間にaを挟むもの
    • B3 語根と語尾の間にěを挟むもの
    • B4 語根と語尾の間にnǫを挟むもの
    • B5 語根と語尾の間にvaを挟むもの
  • 第3課 現在形の分類
    • e型
    • i型
    • a型
  • 第4課 不定形と現在形の関係
    • Aグループの動詞
    • Bグループの動詞
  • 第5課 不定形語幹から作られる形態
    • 過去形
    • 能動過去分詞
    • 受動過去分詞
    • 副動詞過去
  • 第6課 現在形語幹から作られる形態
    • 命令形
    • 能動現在分詞
    • 受動現在分詞
    • 副動詞現在
  • 第7課 不規則動詞
  • 第8課 不完了体と完了体について
  • 第9課 接頭辞について

 第1課は、動詞の構造に関わる要素についてまとめる。「接頭辞」「語根」など第2課以降もよく出てくることになるキーワードについて、いつでも振り返って見られるように最初にきちんと書いておく。

 第2課では、不定形の構造に基づいて動詞を分類する。語根に直接不定形語尾をつけるものはA1~A13グループ、語根と不定形語尾の間にほかの形態素を挟むものはB1~B5グループに分類される。この分類は基本的には『ロシア語動詞の構造』に従うものの、ところどころ変えてある。

 第3課と第4課は動詞の現在形を比較。第3課で現在形の活用語尾を比較し、第4課で動詞のグループ別に活用を比較する。

 第5課・第6課は不定形と現在形を除く動詞の様々な形態について。これもやはり動詞のグループごとに見る。ただし、すべての形態が対象の12言語に存在するわけではなく、言語によってはすでに存在しない形態もある(その場合は比較不可)。

 第7課の不規則動詞は、古代教会スラヴ語に存在した5つの不規則動詞およびそれらと同じ語源を持つ現代スラヴ語の動詞について比較する。『ロシア語動詞の構造』の第7課で出てくる3型動詞とは少し違う見方になる。

 第8課と第9課はおまけ。『ロシア語動詞の構造』にはなくて、でもどうしてもやりたいので付け足したもの。こういう順番にしたけど、もしかしたら先に接頭辞、あとで不完了体と完了体になるかもしれない。あとこれは第3課以降すべてに言えることだけども、記事の数が1つで済むか2つになるかどれだけ長くなるかまだ分からない。第1課は1記事、第2課は各グループで1記事ずつになる予定である。

 どの課にも共通する注意点として、『ロシア語動詞の構造』がそうであるように、特に理由がなければ、動詞の意味については書かないことにする。全部の語にいちいち意味を併記するとごちゃごちゃするし、構造さえ比較できればそれで良し。

参考文献

 「スラヴ語動詞の構造」関係で参考にした主な書籍…をここに追加予定。

 

 ※※※以前書いた記事をリメイクしました※※※